オランウータンのメリルとリッケとの再会
野生復帰したオランウータンとの再会は、野生復帰後のモニタリングにおいて極めて重要な瞬間です。直接姿を観察することで、健康状態や日々の行動、採食能力、そして巣作りの技術などを確かめることができます。
今回、モニタリングチームは、メスのオランウータンであるメリルとリッケに出会うことができました。森へと帰った2頭が今どのように暮らしているのか、その様子をご紹介します。
メリル - 巣作りの名手
その日の午前8時30分ごろ、チームの粘り強い追跡が実を結びました。木々が生い茂る森の高い枝葉の間で、メリルの姿を発見したのです。
約8時間にわたる観察中、メリルは終始活発に動き回り、けがや体調不良の様子もなく、とても健康そうでした。森を探索しながら、葉や植物の新芽、果実などを採食して過ごしていました。
特に印象的だったのは、その優れた巣作りの腕前です。メリルはその日、昼寝用と就寝用の2つの巣を作りました。
まず昼寝用の巣を地上約11〜15メートルの高さに作り、ひと休みした後に再び活動を開始。そして夕方になると、今度は地上約16〜20メートルの高さに、夜寝るための新しい巣を完成させたのです。
巣作りは、オランウータンが野生を生き抜くために欠かせない技術です。身につけた確かな技術が、メリルの森での自立した暮らしをしっかりと支えていることがうかがえます。
リッケ - 活発に食べ物を探す
森の中をさらに進んでいたチームは、メリルがいた場所からほど近いところで、リッケにも出会いました。リッケはスリという植物の新芽を夢中で頬張っているところでした。
健康状態も良好で、周囲への警戒を怠らずに木から木へと軽快に移動しながら、植物の新芽や若葉、果実などを器用に選んで食べていました。森の恵みをしっかりと見極め、日々の糧にしている様子が伝わってきます。
夕方、少し疲れが見え始めたリッケは、休むための場所を探し始めました。選んだのは、地上約16〜20メートルの高さにあるレンタンの木です。
器用に枝を集めて組み合わせると、驚くことにわずか6分足らずで立派な巣を作り上げました。
素早く丁寧にベッドを整える姿からは、野生復帰後の生活を通じて、生きる知恵と技術に一層磨きがかかっていることが感じられました。
森に生きる姿を見守り続ける
メリルとリッケの姿は、野生に戻ったオランウータンたちが自然の中で確かな日常を築いていることを教えてくれます。
こうした一つひとつの再会から得られる情報は、無事に生きているかを確認するだけでなく、それぞれが森の環境にどう適応し、暮らしているのかを深く理解するための貴重な手がかりとなります。
投稿日:2026年10月14日
執筆:BOS財団本部 コミュニケーションチーム(西ジャワ州ボゴール)
編集・翻訳:Borneo Orangutan Survival Japan(BOSジャパン)




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