先住民族コミュニティと共に守る、かけがえのない宝物
- 4 日前
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2026年の「世界野生生物の日」は、「薬用・芳香植物、健康、伝統、そして暮らしを守る」がテーマです。 これは、森にある植物がいかに人々の健康を助け、文化を伝え、日々の生活を支えているかを改めて見つめ直すものです。
このテーマは、私たちBOS財団が、中部・東カリマンタン州で行ってきた先住民族および地域コミュニティ(IPLCs)への支援活動と深く結びついています。
先住民族と森:共に生きる、切っても切れない関係
先住民族や地域の人々にとって、森は単なる住む場所ではありません。 そこは、食料、薬、知識、そして先祖から受け継いだ文化的アイデンティティの源です。
しかし、現実は厳しい側面もあります。彼らは自分たちの土地や資源を使う権利が十分に認められなかったり、周囲の環境変化や大規模な開発によって、静かな暮らしが脅かされたりすることもあります。
こちらの記事もあわせてご覧ください: 森の恵みを、村の力に。ゴムの木のプロジェクト
私たちBOS財団は、こうした課題に向き合うため、カリマンタン州にある28のコミュニティと手を取り合っています。 具体的には、地域組織の力を高める手助けをしたり、彼らが守ってきた伝統的な土地の権利が正当に認められるようサポートをしています。
私たちは野生生物の保護にとどまらず 、何世代にもわたってこの豊かな森を守り続けてきた人たちが、これからも幸せに、安心して暮らしていけること。そのための仕組みづくりを、とても大切にしています。
115種の地元の植物:今も受け継がれる生きた知識
28のコミュニティを支援する中で、食用、薬用、そして木材以外の森林資源など、約115種類もの在来植物が記録されました。
これらの植物は、単なる記録上のデータではありません。世代を超えて受け継がれてきた生きた知識であり、今もなお、地域の人々によって日々の暮らしの中で大切に活用されています。
その代表的な例をいくつかご紹介します。
プタット (Planchonia valida)
若い葉は、胃の不調や気管支炎などの手当てに使われるほか、美しい髪を保つためのハーブとしても親しまれています。カルシウムやビタミンBが豊富で、炎症を抑える力やリラックス効果もあるため、新鮮な生野菜としても食卓にのぼります。
パリジョト (Medinilla speciosa)
抗酸化作用が非常に高く、免疫力を高める効果があると言われています。特に、妊婦さんの健康維持や、口内炎、下痢の治療に役立てられてきました。
パサク・ブミ (Eurycoma longifolia)
スタミナをつけ、活力を高める薬草として、現地では非常に有名です。
健康、伝統文化、そして暮らしを守る
「世界野生生物の日」のテーマに合わせ、BOS財団の支援プログラムでは、薬用植物や森の資源を健康・文化遺産・そして持続可能な生計を繋ぐ架け橋として位置付けています。地域社会が自然資源を記録し、管理し、持続可能な形で活用する能力を強化することで、先祖伝来の知識を保全するだけでなく、環境に配慮した経済機会の創出にも貢献します。
このアプローチによって、「自然を守ること」と「人の幸せ」が切り離されることはなくなります。むしろ、森と共に生きるコミュニティが公平な役割や権利を持ち、そこから利益を得られるようになることで、森林保護の取り組みはより確かなものへと変わっていきます。
未来のための、包括的な保全モデル
BOS財団は、先住民族や地域コミュニティ(IPLCs)の体制を強化することで、彼らが森林保護や生物多様性の保全において中心的な役割を担う包括的な保全モデルを推進しています。これには、現代の健康や回復力といった課題にも通じる、彼らの伝統的な知識を守る活動も含まれています。
今年の「世界野生生物の日」にあたり、カリマンタンから届いたこの物語は、大切なことを教えてくれます。それは、野生生物や植物を守ることは、そこで生きる人々や文化、そして私たちの共通の未来を守ることでもあるということです。
私たちが森に対して意識と敬意を持って向き合えば、森の恵みはこれからも絶えることなく、生命を支え続けてくれるはずです。














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