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サンボジャ・レスタリ・サンクチュアリ・アイランドでの新たな始まり

  • 執筆者の写真: BOS Japan
    BOS Japan
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

2025年の終わりにBOS財団は、サンボジャ・レスタリにて2人のオランウータンをサンクチュアリ・アイランド(島)へと移送しました。

今回は、個別ケージ棟から「サンクチュアリ・アイランド5号」と呼ばれる島への移送です。これは、さまざまな事情で野生に帰ることが出来ないオランウータンたちの生活を向上させるための、大切な一歩です。

今回、新しい生活を始めたのはジュジュンとヴェラ。2人は以前からこの日のために、より自然に近い環境で暮らすための準備を進めてきました。


サンクチュアリ・アイランド5号の準備

移送に先立ち、サンクチュアリ・アイランド5号では約5カ月をかけて、大規模な整備と改修を行いました。すべては、島をオランウータンにとって安全で健康的な住まいにするための準備です。


具体的な準備として、まずは木製の給餌台を新設しました。さらに、エンリッチメント設備の修理や増設を行い、オランウータンが本来の動き(登る・ぶら下がる・移動するなど)を自由に楽しめるよう、新しい設備も設置しました。


衛生面にも細心の注意を払い、島全体を2回にわたって消毒、土壌や水のサンプル調査を行い、オランウータンにとって安全な環境であることを厳密に確認しました。

また、島内だけでなく周囲の水路の清掃、生息環境の質を下げる原因となるコケの除去も行いました。これらすべての工程は、BOS財団が定めている「島をオランウータンの住まいとして認めるための厳しい基準」をクリアするために欠かせない、大切なステップです。



安全を第一に:丁寧な移送と徹底した健康診断

2025年12月10日。サンクチュアリ・アイランド5号の準備がすべて整い、いよいよ移送が始まりました。オランウータンの安全と健康を最優先に考え、専門の技術チームがボートを使って慎重に運んでいきます。

最初に島へと向かったのはヴェラです。出発前、彼女には全身の徹底的なチェックが行われました。X線検査、眼科・歯科検診、血液検査に加え、呼吸器や鼻・のどの詳細な検査まで、その項目は多岐にわたります。

続いて、ジュジュンの移送が行われました。彼もヴェラと同じく一連の精密な医学的検査を受けたほか、今後の健康管理に役立てるための身体測定も実施されました。


ジュジュンにとって初めてのオランウータン・アイランドでの生活

ヴェラは以前、別の島(アイランド4号)で暮らしていましたが、そのメンテナンス期間中に一度、個別ケージ棟へ戻っていました。今回の移送は、彼女にとって待望の島への帰還でもあります。


一方、ジュジュンにとって今回の移送は、生まれて初めて島という広い世界で暮らす、大きな挑戦となりました。

ジュジュンは、南カリマンタン州バンジャルバルの住民から保護され、当時は推定4〜5歳でした。その後、ワナリセットからサンボジャ・レスタリへと移り、これまでの人生のほとんどをケージの中で過ごしてきたのです。

また、ジュジュンには2017年から呼吸器疾患、特にオランウータン呼吸器疾患症候群(ORDS)の既往歴がありました。幸いにも、彼の容態は安定しており、2025年に至るまで再発の兆候は見られませんでした。現在27歳になったジュジュンにとって、アイランド5号への移住は新たな始まりを象徴しています。それは、ケージという障壁なしに、自由に空気を吸い、より自然に近い環境を経験する機会なのです。


オランウータンの福祉のために

オランウータンたちをサンクチュアリ・アイランドへと移送することは、私たちが保護している彼らの毎日を、少しでも良く、豊かなものにしていきたいという想いのかたちです。

たとえ森へ帰ることが難しくても、安全な環境の中で、本来の姿でのびのびと生きてほしい。私たちはこれからも、彼らがオランウータンらしく、自由な空気を吸って暮らせる環境を、大切にしていきたいと考えています。



 
 
 

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