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森林火災とオランウータンの現状とBOS財団の対応について

9月9日
読了時間: 5分

更新日:51 分前

ボルネオ島(カリマンタン島)の中部カリマンタン・東カリマンタンの火災状況と取り組みについてご報告いたします(2026年9月)


現地の状況(2026年9月6日時点)

最新のパトロールの結果、BOS財団のオランウータンの保護施設やリリースエリアは普段どおり活動を続けており、火災による直接の被害は受けていません。


中部カリマンタンでは、ニャル・メンテン・レスキューセンターのほか、プレリリース島のカジャ島やバンガマット島にも火災の直接的な被害はありません。

東カリマンタンのサンボジャ・レスタリやリリースエリアのクジェ・セウェンも安全な状態です。

また、中部カリマンタンのブキット・バティカプ保護林やブキット・バカ・ブキット・ラヤ国立公園のリリースエリアも、いまのところ火災が迫るような危険にはさらされていません。


しかし、マワス自然保護区は、約49.5ヘクタールが火災の被害を受けました。泥炭地であるマワスは、火災を見つけるのも消火するのも難しく、地面の下で火種がくすぶり続けることがあるため、特に注意が必要な状態が続いています。


オランウータンへの影響と、消防チームの動き

森林火災の影響は、火が燃え広がった場所だけに留まりません。煙やヘイズ(煙霧)は火元から離れた場所まで広がり、煙を吸い続けることで野生動物の暮らしにも影響が出る可能性があります。


また、乾季が長く続いていることで、プレリリース島のまわりを流れる川の水位が下がっています。

川の水が減り、一部のオランウータンが島の外へ出てしまうということがありました。

そのためオランウータンたちの安全を確保するために、これまでに11頭をプレリリース島からニャル・メンテン・レスキューセンターへと一時避難させています。


現在、21頭のオランウータンに、咳やくしゃみ、鼻水など、風邪のような急性呼吸器症状が見られています。獣医チームとケアスタッフが毎日体調を確認し、それぞれの状態に合わせて必要なケアや治療を行っています。


ジャングルスクールは、いまのところ通常どおり行われており、オランウータンたちは1日に最大7時間を森で過ごしています。しかし、今後煙の状況が悪化した場合は、オランウータンの健康と安全をいちばん大切に考え、活動時間を短くするなどの見直しを行う予定です。


BOS財団は、すべての活動地域ですぐに動ける警戒態勢を保っています。人工衛星のデータと現場の見回りを組み合わせて火元(ホットスポット)を定期的に確認しているほか、火事が起きやすい場所の巡回パトロール、火が燃え広がらないための防火帯の点検、消火に使う水場や水路の確認などを進めています。


消防チームと消火用の機材はいつでも出動できるよう待機しており、場所ごとの危険度に合わせて配置しています。また、早期発見や予防、素早い消火ができるように、政府の関連機関や地域の人々とも連携しています。


BOS財団では、火が起きる前、広がる前に防ぐことを最も大切にしています。そのため、目に見える炎だけでなく、雨が長期間降らない乾燥状態や煙の立ち込め具合など、火災の危険が高まる兆候にも最大の注意をしています。


また、中部カリマンタンのBOS財団の消防チームは、保護区域意外の各地で発生する火災の消火活動にも駆けつけています。

近隣の森や人々の暮らしに危険が迫っているエリアも含め、行政や森林局と手を取り合って消火にあたっています。これまで培ってきた経験や消火の機材、現場のチーム力を総動員し、森だけでなく、地域全体の火災被害を食い止めるために力を尽くしています。



呼吸器症状が見られたオランウータンのリスト(2026年9月6日時点)

日付

名前

見られた症状

確認した時間

行ったケア

8月17日

ダナ (Dana)

くしゃみ、咳

午前

ビタミンCの投与

8月17日

ラビア (Rabia)

くしゃみ、咳

午前

ビタミンCの投与

8月17日

ハヌア (Hanua)

くしゃみ、鼻水

午後

ビタミンCの投与

8月17日

セパンサー (Sepanser)

くしゃみ、鼻水

午後

ビタミンCの投与

8月18日

ランボー (Rambo)

くしゃみ、鼻水

午後

ビタミンCの投与

8月20日

ハヌア (Hanua)

くしゃみ、鼻水

夕方

ビタミンCの投与

8月20日

ダナ (Dana)

咳

夕方

ビタミンCの投与

8月20日

ルンバ (Rumba)

咳

夕方

ビタミンCの投与

8月20日

モモ (Momo)

乾いた咳

夜

聴診で右の肺に少しざらついた音

8月21日

ランボー (Rambo)

くしゃみ、鼻水

午後

ビタミンCの投与

8月22日

モモ (Momo)

くしゃみ、鼻水

午前

元気に活動中(経過観察)

8月22日

セルヴィ (Selvi)

くしゃみ、鼻水

午前

元気に活動中(経過観察)

8月22日

ドゥイ/エドイ (Dui/Edoy)

咳

夕方

ビタミンCの投与

8月22日

サンドラ (Sandra)

乾いた咳

午前

ビタミンCの投与

8月23日

ニニク (Ninik)

何度もくしゃみ

午後

ハチミツのケア

8月25日

ヘラクレス (Hercules)

咳

午前

ビタミンCの投与

8月25日

セバビ (Sebabi)

咳

午前

ビタミンCの投与

8月26日

ユートリス (Yutris)

咳

夕方

経過観察

8月26日

ジョジョン (Jojon)

咳

午前

経過観察

8月26日

ポロロ (Pororo)

咳

午前

経過観察

8月26日

ルンバ (Rumba)

咳

夕方

経過観察

8月27日

セルフィー (Selfie)

咳

午前

ビタミンCの投与

8月27日

ジョジョン (Jojon)

くしゃみ

夕方

経過観察

8月28日

アンクル (Uncul)

咳

午前

経過観察

8月28日

ポパイ (Popeye)

咳

午前

経過観察

8月28日

ランボー (Rambo)

くしゃみ、鼻水

朝・午後

ビタミンCの投与

8月28日

ムニ (Muni)

咳

午後

ビタミンCの投与

8月28日

ルンバ (Rumba)

咳

夕方

ビタミンCの投与

8月28日

ダナ (Dana)

咳

朝・午後

ビタミンCの投与

8月29日

ハヌア (Hanua)

咳

午前

経過観察

8月29日

ランボー (Rambo)

くしゃみ、鼻水

朝・午後

ビタミンCの投与

8月29日

ポロロ (Pororo)

くしゃみ

午後

ビタミンCの投与

8月29日

セルフィー (Selfie)

咳

夕方

ビタミンCの投与

8月30日

ダナ (Dana)

くしゃみ

午前

経過観察

8月30日

ポロロ (Pororo)

咳

朝〜夕方

ビタミンCの投与

8月30日

ローラ (Laura)

鼻水を伴う咳

午前

経過観察

症状が確認されたオランウータン:21頭



投稿日:2026年9月9日

執筆:BOS財団本部 コミュニケーションチーム(西ジャワ州ボゴール)

編集・翻訳:Borneo Orangutan Survival Japan(BOSジャパン)

 
 
 

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