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サンボジャ・レスタリで暮らす45歳のたくましいマレーグマのバリ

  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

BOS財団のサンボジャ・レスタリのマレーグマ保護区では、そこに暮らすマレーグマの数だけ物語があります。

現在、私たちは約75頭のマレーグマを保護していますが、その背景はさまざまです。

元気いっぱいに森を駆け回る若者もいれば、老年期という穏やかな生活を送っているクマもいます。


マレーグマのライフステージ

保護活動において、マレーグマの成長段階は年齢ごとに細かく分けられています。


乳児期(0〜1歳)

幼年期(約2歳)

亜成体(3〜6歳)

成体期(繁殖期を含む大人)

老年期(30歳以上)


30歳を超えて老年期に入ると、代謝が落ち、エネルギーも低下するなど、体にはっきりとした老化の兆候が現れます。

すべてのマレーグマがこの年齢まで生きられるわけではありません。しかし現在、サンボジャ・レスタリでは、バリをはじめとする15頭がこの老年期を迎えています。私たちにとって、老いはケアの終わりではありません。 むしろ、医療チームや飼育員による、よりきめ細やかで忍耐強いサポートが必要になる大切な時期なのです。


老年期を迎えたクマたちへの特別なケア

高齢のマレーグマたちが健やかに過ごせるよう、日々の生活には特別な配慮をしています。


栄養管理

体力を維持するため、通常の食事に加えて特別なドッグフードやマルチビタミンなどのサプリメントを配合しています。


心身の健康

高齢でも寝室に引きこもらず、定期的に屋外の自然環境へ出られるように促します。外の空気に触れることは、心と体のリフレッシュに欠かせません。


メディカルトレーニング

口を開ける訓練(口腔内や歯のチェックのため)や、定期的な爪切りを行います。高齢になると木登りや穴掘りの頻度が減り、爪が自然に削れにくくなるため、人の手によるケアが重要です。


45歳の奇跡、たくましいマレーグマのバリ

サンボジャ・レスタリで暮らす高齢グマの中でも、特に象徴的な存在がバリです。現在、バリの年齢は推定45歳。マレーグマとしては、驚くほどの長寿です。


そんなバリの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。2023年、バリの両後ろ足に麻痺が残り、自力で立てなくなるという深刻な事態が起きました。歩こうとするたびに、動かない後ろ足を引きずらなければならない状態でした。


医療チームはすぐに集中治療を開始。バリは回復に専念するため、屋外エリアへの外出を控え、1日2回の投薬と、スタッフによる懸命な介護の日々が続きました。

前足だけで必死に体を支え、前へ進もうとするバリの姿は、見守るチームの胸を打つものでした。どんなに体が不自由になっても、バリの瞳には生きたいという強い意志が宿っていたのです。



再び、自分の足で立ち上がる

バリの強い生命力と、チームの粘り強いケアがついに実を結びました。2024年、バリの状態は劇的に改善。足取りはまだおぼつかないものの、再び四本の足で立ち、歩けるようになったのです。

現在は天候や体調を見極めながら、少しずつ屋外の保護区エリアでの活動も再開しています。


バリが教えてくれたこと

バリの物語は、どれほど歳を重ねても生きたいという意志は決して消えないのだということを、私たちに教えてくれます。 適切なケアと根気強いサポート、そして温かい環境。それらがあれば、高齢の動物たちも尊厳を保ち、幸せに暮らすことができるのです。


サンボジャ・レスタリ保護区では、幼いクマも、バリのような高齢のクマも、等しく安全な場所で、必要なケアを受けながら日々を過ごしています。

バリが静かに踏み出す一歩一歩は、長く困難な道のりを歩んできた者にも、必ず希望は在り続けるという確かな証です。

 
 
 

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